地方独立行政法人たつの市民病院機構では、職員の知識・技術の向上を目的に、教育委員会を設置し、機構内の教育・研修について積極的に取り組んでいます。
※教育委員会は多職種の職員で構成されています。
方 針
当機構の「人材育成基本方針(令和2年4月)では、“こころある医療”の実践者としての自律と成長を目指し、倫理観を備え、信頼される質の高い保健・医療・福祉サービスを提供できる「自立・自律した人材を育成する」「視野の広い人材を育成する」という2点を掲げ以下の教育目標を設定しています。
《教育目標》
- 社会人、保健医療福祉の専門職業人としての基本的なコミュニケーション技術を身に付け、対象者、とその家族、医療チーム内の人間関係を築き、調整を図ることができる。
- 新たな知識・技術の修得とともに、経験から学ぶことにより判断力を高め、適切なサービスを提供できる。
- サービスの質の向上、組織目標達成のためにマネジメント能力を養う。
- 各自が主体的に生き方のテーマを選択し、仕事とライフスタイルの調和や自分らしさを創るキャリアが開発できる。
近年健康ニーズ、在宅療養に関する保健・医療福祉機関へのニーズは多様化・複雑化する一方で感染症に関する課題は大きく職員一人一人の役割・責任が増してきています。今日の地域医療に貢献していくためには職員全員に業務遂行能力が求められます。
職員一人一人が自律・自立して、倫理的規範のもと問題解決ができる、豊かな発想力で業務遂行ができる、地方独立行政法人たつの市民病院機構の未来を切り開く人材の育成を目指し、本年度研修計画に基づきながら、実施から評価を大切に実践しています。
また、「働き方改革」が推進される今日の社会情勢に合わせ、職員一人一人が働き方を見つめ直すことができる組織風土のため、「階層別研修」を強化し、各階層に適した知識、技術、態度等の修得につなげるとともに、各職員の仕事への意識改革を促します。特に新入職員においては早期の育成を図ることを目的に、採用から基本3年目までの職員に対する階層別研修の内容を充実させ、法人としての自覚の形成や資質向上を図る。管理職の職員に対しても人材育成の要であるマネジメント能力の向上に重点を置いた研修を実施していきます。
職員個々の能力深化の促進と組織力向上のため、研修がその一助となるよう研修を計画策定するものです。
研修体系の概要
職員の院内研修については
- 新入職員研修
- 師長補佐・課長補佐以上対象研修(チェンジマネジメントセミナー)
- クリニカルラダー別研修
- マネジメントラダー別研修
- 看護補助者・介護福祉士研修
- 全職員必修研修
(1)医療安全対策
(2)感染防止対策
(3)コンプライアンス - 全職員
(1)倫理
(2)接遇マナー
(3)基礎的知識向上院内30分研修 - 学研メディカルサポート
(1) e-ラーニングシステム活用研修(2021年5月1日から適用) - 公開講座
上記9つの手法により相互に補完、関連を図りながら職員の能力開発に取り組み、当機構の理念に基づく職員の資質向上を目的とし研修を企画開催しています。
※3.4.5は看護師長の研修。
※学研メディカルサポート e-ラーニング学修は「課題テーマ」推奨と自主的学習。
令和3年度の教育・研究活動状況
令和3年度年間院内研修実践報告
- e-ラーニング
令和3年度 学習結果報告
令和3年度上半期(4月~9月)院内研修実践報告
(1)研修
研修名・実施日時 | 内容・講師 | 受講者数 |
---|---|---|
新入職員オリエンテーション 4月1日~7日(5日間) 病院大会議室 |
新入職員に対し、法人職員として理念に基づいた医療介護が主体的に実践できる基礎的知識を早期に修得し、法人職員としての自覚と意識の確立を図る。 講師:嶋田理事長他各所属長 ※別紙参照 |
14名 (初日から3日間) |
クリニカルラダーⅠ 1か月フォローアップ 5月7日 |
根拠を踏まえた安全な看護技術の修得を図る。 ・輸液療法中の管理 ・嚥下障害のある患者の口腔ケア ・モニター管理 ・メンタルサポート 先輩からの応援グッズプレゼント 講師:中瀬・馬場・白井 |
3名 |
クリニカルラダーⅠ 3か月フォローアップ 6月4日 |
夜勤業務に備えた体調管理・日常生活の調整方法を知る ・緊急時の対応を知る BLS(一次救命処置)の実践 ※効果的な胸骨圧迫、気道確保が出来る ※スタットコールの活用について理解できる ・医療における効果的なコミュニケーション技術を学ぶ 講師:中瀬・馬場・福田 |
3名 |
クリニカルラダーⅡ ケーススタディ 7月2日 |
受け持ち患者の看護過程を振り返り看護実践能力向上を目指す。 1事例から研究手法を用いて一連の事例をまとめる。 講師:白井 |
2名 |
介護福祉士研修 急変時対応 7月16日 |
異常を早期に発見し、BLSができる。 講師:中瀬師長 |
7名 |
クリニカルラダーⅡ プリセプター研修 7月21日 |
後輩看護師育成について考える。グループワーク 講師:白井 |
3名 |
クリニカルラダーⅣ 7月26日 |
師長補佐に求められる資質について 講師:肥塚看護部長 |
13名 |
クリニカルラダーⅡ ナラティブ 7月27日 |
ひとりひとりが看護を語り、また聴くことで共に学ぶ 語り合い・相手の考えを理解することでチーム力向上を図る 講師:福田副看護部長 |
7名 |
クリニカルラダーⅡ リーダーシップ研修 7月29日 |
チームリーダーの育成を目指す。 ・「リーダーシップ」講義 ・日々の業務からの実践報告会 担当:堀田・馬場 |
5名 |
「接遇マナー研修」 クレーム対応 7月30日 |
患者満足度向上を目的に、クレーム対応の基礎的知識及びスキルを修得する。 講師:白井 |
12名 |
クリニカルラダーⅠ 6か月フォローアップ 9月3日 |
看護技術の修得 事例からシミュレーション研修 担当:中瀬師長・馬場 |
2名 |
(2)研修 学研 e-ラーニング
学研e-ラーニング学習 | 項 目 | 対象者 |
---|---|---|
【コンプライアンス研修】 視聴時期 6月~7月 |
院内全体研修 課題推奨 コード:CJ2101 「これもハラスメント?正しい理解と適切な対応法」 |
全職員 受講率100% |
【感染症対策必修研修】 視聴時期 8月~9月 |
院内全体研修 コード:CB2102 「感染経路別予防策~院内全体で取り組む感染対策の基礎~」 |
全職員 受講率85% |
介護福祉士・看護補助者研修 視聴時期 9月~10月 |
看護補助者研修コース コード:BA2101 「医療制度の概要及び病院の機能と組織の理解」 |
介護福祉士及び 看護助手 23名 進行中 |
介護福祉士・看護補助者研修 視聴時期 9月~11月 |
看護補助者研修コース コード:BA2107 「環境整備」 コード:BA2108 「入浴のお世話」 コード:BA2109 「清潔のお世話」 コード:BA2110 「排泄のお世話」 コード:BA2111 「食事のお世話」 コード:BA2112 「洗面のお世話」 コード:BA2113 「口腔ケア」 |
介護福祉士及び 看護助手 23名 |
- e-ラーニング
上半期 学習結果報告
過年度の教育・研究活動実績
【令和2年度の実績】
令和2年度 院内研修実践報告
研修名・実施日時 | 内容・講師 | 受講者数 |
---|---|---|
新入職員オリエンテーション 4月1日~7日(5日間) やすらぎ福祉会館 |
新入職員に対し、法人職員として理念に基づいた医療介護が主体的に実践できる基礎的知識を早期に修得し、法人職員としての自覚と意識の確立を図る。 講師:嶋田理事長他各所属長 ※別紙参照 |
24名 (初日から3日間) |
チェンジマネジメントセミナ― 6月15日~8月21日(6日間) |
対象者限定の研修です。① チェンジマネジメントの基礎知識及び、具体的行動指針についての研修。また人事評価者研修は、人事評価に関する基準、方法等を正しく理解し「評価者の目線合わせ」を行うことで 人事評価制度の運用の公平性、公正性、納得性を確保することを理解する。 講師:嶋田理事長 |
各回49名 |
クリニカルラダーⅢ 摂食嚥下研修 6月2日 |
誤嚥予防のための、解剖学的観点から食事介助について理解を深め実践につなげる。 講師:岡田言語聴覚士 |
17名 |
クリニカルラダーⅠ 3か月フォローアップ 6月5日 |
根拠を踏まえた安全な看護技術の修得を図る。 ・輸液療法中の管理 ・嚥下障害のある患者の口腔ケア ・モニター管理 ・メンタルサポート 担当:堀田 |
4名 |
クリニカルラダーⅢ ナレッジマネジメント 6月9日 |
ナレッジマネジメントを用いて、看護師のベッドサイド教育について考え、看護の質向上に生かす。 講師:福田副部長 |
10名 |
クリニカルラダーⅢ 退院支援について 6月8日 |
対象を生活者としてとらえることの必要性が理解でき退院支援を行う(退院前訪問・退院後訪問の必要性の 理解から実践につなげる。) 講師:北川看護師 |
19名 |
院内セミナー 血液ガスについて 6月10日 |
臨床検査技師より、血液ガスの基礎的知識と検査方法について知識を習得する。 講師:光寺臨床検査技師 |
22名 |
クリニカルラダーⅡ リーダーシップ研修 6月12日 |
チームリーダーの育成を目指す。 ・「リーダーシップ」講義 ・日々の業務からの実践報告会 担当:堀田 |
9名 |
クリニカルラダーⅡ ケーススタディ 6月16日 |
受け持ち患者の看護過程を振り返り看護実践能力向上を目指す。 講師:白井 |
3名 |
クリニカルラダーⅡ プリセプター研修 6月22日 |
後輩看護師育成について考える。グループワーク 講師:白井 |
3名 |
クリニカルラダーⅡ ナラティブ 6月23日 |
ひとりひとりが看護を語り、また聴くことで共に学ぶ 語り合い・相手の考えを理解することでチーム力向上を図る 講師:辻井 |
14名 欠席4名 |
院内研修 ICLSについて 6月24日 |
突然の心肺停止にであった時にどのように対処すべきかについて、エビデンスに基づき、基礎的知識の 確認から実践できる事を期待し講義演習方式で学美を深める。 講師:竹内・田村看護師 |
37名 |
看護補助者研修 日常生活援助 6月25日 |
安全な日常生活援助の介助が看護師の指導のもと、実践できる。 講師:岡田言語聴覚士 |
13名 |
トピックス 全職員対象 様式9 6月26日 |
様式9は、病棟の看護師等の日々の勤務時間数を記載するだけの単純なものだが、数字の評価 (記載すべき数字と記載してはいけない数字)に細かなルールがあり、このルールを正しく理解しないと正確な記載が出来ない。よって、基本的なルールについて学習する。 講師:吉田 |
20名 |
クリニカルラダーⅠ 4か月フォローアップ 7月3日 |
看護技術の修得 担当:中瀬師長 |
4名 |
マネジメントラダー 管理者研修 7月7日 |
「リーダーに求められる資質」 法人の理念に基づく看護師長をはじめとするリーダーの資質について理解を深める。 講師:肥塚看護部長 |
10名 |
院内セミナー FIMについて 7月8日 |
FIMという日常生活評価チャートの正しい理解をし、リハビリを受ける対象者の支援につなげる。 講師:野間理学療法士 |
24名 |
院内セミナー 理学療法士から人の生きるを看るについて 7月9日 |
「認知症ケアを科学する」をテーマにその人の力に着目しその人に寄り添いながら理学療法を進める、 そのエビデンスについて理解を深める。 講師:境理学療法士 |
23名 |
認知症について 7月13日 |
認知症について病気法海を深めるとともに、認知症患者の看護につて学習する。 講師:馬場看護師長補佐 |
14名 |
全職員対象 接遇マナー研修 7月21日 |
接遇マナーの1つでもある「クレーム対応」について、事例からその対応について理解し理解を深め実践に生かす。 講師:北村医師(内科医長) |
49名 |
院内セミナー 理学療法士から脳卒中後の症状の理解について 7月22日 |
脳卒中後の盲と空間無視について理解を深める。 講師:境理学療法士 |
10名 |
クリニカルラダーⅢ 口腔ケア・排泄ケアについて 7月29日 |
口腔ケアと排泄ケアの看護実践向上に向けて、エビデンスを踏まえながらその人の自尊感情を尊重した 看護介入について理解を深める。 講師:丸木看護師・鶴田看護師・重藤看護師長補佐 |
10名 |
管理職対象研修 病院機能評価について 7月30日 |
病院機能評価の基礎的知識を確認し、法人として今後病院機能評価を受けていく準備としチームが一丸となり病院機能評価を受けるという意識向上を目指す。 講師:大井医師(病院副院長) |
17名 |
院内セミナー 誤飲性肺炎について 8月12日 |
誤嚥性肺炎のメカニズムを理解し、誤嚥性肺炎予防に向けてのスキル向上を目指す。 講師:三村病院長 |
19名 |
全職員対象研修 後輩看護師育成について 8月24日 |
「こころある医療」の提供として、意識をもって学び実践できる後輩看護師を育成することによって その基本的態度とスキルについて学び実践に生かす。 講師:白井理事 |
24名 |
院内研修 ICLSついて 8月26日 |
突然の心肺停止にであった時にどのように対処すべきかについて、エビデンスに基づき実践できる事を期待し講義演習方式で学びを深める。 講師:竹内看護師・田村補佐・井口・川口・橋爪 補助:セラピスト(前田・山本・辻井) 総評者:三村院長 |
30名 |
看護補助者研修 (介護福祉士含む) 8月27日 |
看護師の指示のもと、安全に日常生活援助「清潔、おむつ交換」ができるようスキル向上を目指す 講師:ユニ・チャーム(国分氏) |
8名 |
看護師・介護福祉士研修 認知症 9月8日 |
認知機能に障害がある対象者の理解を深め、ケアに生かす。さらにケア加算について学習する。 講師:馬場補佐 |
14名 |
院内研修 肺炎 9月9日 |
肺炎の病態・検査・治療について基礎的知識の修得をする。 講師:三村院長 |
14名 |
ラダーⅡ研修 中間報告会 9月11日 |
リーダーシップ研修、チームリーダーの育成 担当:川崎 |
10名 |
チェンジマネジメントセミナ― 9月14日~9月18日(2日間) |
対象者限定の研修です。① チェンジマネジメントの基礎知識及び、具体的行動指針についての研修。 ●意識改革について ①変化を阻害する因子 ②成功へのステップ 講師:嶋田理事長 |
49名 |
院内研修 レントゲン・CTの見方 9月9日 |
レントゲン・CTについて基礎的知識の修得をする。 講師:土谷課長 |
20名 |
看護補助者研修 (介護福祉士含む) 9月24日 |
医療制度の概要と病院の概要について理解する。 講師:福田副看護部長・吉田将大 |
11名 |
院内研修 施設基準 様式9 9月25日 |
様式9について基礎的知識の修得をする。 講師:吉田将大 |
18名 |
院内研修「倫理研修」 意思決定とACP 9月30日 |
患者を主体にその家族や近しい人、医療・ケアチームが患者の意思決定を支援するプロセスを理解し実践に生かす。 講師:福田副看護部長 |
15名 |
ラダーⅣ中間評価 情報共有会 10月12日 |
進捗状況の発表 | 8名 |
メンタルヘルスサポート研修 10月26日 |
職員が、心身ともに健康であるためには、4つのメンタルへルスケアが欠かせない。労働者がみずから ストレスに気づく「セルフケア」、職場の管理監督者が配慮すべき「ラインケア」、事業場内のスタッフ・ 事業場外資源による「専門的なケアや支援」、働きやすい「職場環境づくり」を講じることが、 あらゆる組織にとっての経営課題のひとつであることを踏まえ研修を開催する。 講師:白井 澄子 |
26名 |
ラダーⅢ 中間報告会 10月30日 |
それぞれの課題に対する看護実践報告会 | 25名 |
退院支援講義 「精神科医療へのアプローチ」 11月9日 |
MCWの役割を通して退院支援について考える。 講師:牛尾 |
22名 |
ラダーⅡ プリセプター教育「中間報告会」 11月13日 |
課題に対する中間報告会 | 5名 |
ラダーⅡ プレゼンテーション研修 11月25日 |
プレゼンテーションは話し手の趣旨を聞き手へとわかりやすく伝えることが何よりも重要とされている。 伝えることの意義と方法論について理解する。 |
2名 |
ラダーⅡリーダーシップ研修 実践報告会 1月8日 |
成果を発表 | 5名 |
ラダーⅣ ナレッジマネジメント 「実践報告会」 2月10日 |
成果を発表 | 25名 |
ラダーⅡプリセプター 「実践報告会」 2月12日 |
成果を発表 | 2名 |
ラダーⅢ 実践報告会 2月19日 |
成果を発表 | 26名 |
ラダーⅠ 入職1年目フォローアップ研修 3月5日 |
新人看護師として入職し1年間のふりかえると今後の展望について発表。 | 3名 |
その他の情報